千絢(ちひろ)先生
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今日学校から帰宅した息子がランドセルを降ろすと、今保護者の間では後藤さんが殺害された映像をみせたくないからYouTubeを禁止にしたい動きがあると言う。お母さんはどうしたいか？息子がきいた。だから私はジュースを出し、落ち着いて話をした。

お母さんは昔イスラム教を信じる家庭に留学していた、彼等はとても家族を愛し教えに忠実で礼拝や戒律を守る静かな人たちだった、今貴方はイスラムを信じる人は怖い人ばかりだと感じてるならそうではない、同じイスラムを信じても後藤さんの為に祈りを捧げてくれた多くの外国人がいる、偏見を持たずに、一生懸命人生を生きられた彼をみたいならみればよい。でも、彼を殺した人もまた家族や友人を奪われた過去が憎しみになってしまったのかもと考えないといけないよと教えた。

私はオーストラリア在中、全く英語は通じない、イスラム家庭に暮らした。豪商の家庭であったが、留学生の私のことをゲスト扱いせず、家族として心から愛してくれた。最初確かに空港にターバンを巻いたお姉さんが迎えに来たホワイトボードに私の名前をみつけた時不安や緊張が走った。しかし音楽やダンスや毎日の生活を通じ、私たちは絆を深めた。

最後の夜、イスラムのママは私を抱きしめ星を眺めながらこう話をした。貴女は私の三番目の娘。三番目の娘を病で亡くしたけど今貴女ができた。私は幸せ、貴女はこの家庭にきて幸せだったか？と。私は最初怖かったことや、習慣の違い、考え方の違いがわからなかった。今はよくわかる、ママに出会えてよかったと抱きしめた。

互いの国にもし愛する人がいたらその国を攻撃したり傷つけようと誰もしないだろう。愛し認め合う世界へいつか世界が歩み出したら素晴らしい。後藤さんの冥福を祈り彼の本を来月、こども達が暮らす施設に送りたいと思う。